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■山崎洋子&一之 さん ■長澤源一 さん ■梶谷きよみ さん |
「ホレンソウがきっかけ」 ホレンソウが夕日に映え、だんだんセピア色に変わってくる。その美しさに、「私、ホウレンソウ大好き」と叫ぶと、「ようし、きよみのために一生ホウレンソウを作るぞ!」夫がほえるように言った。 そんな野菜づくりの数年後、本棚に恩師・栗太教授訳の『共栄植物とその利用』という小冊子を見つけた。 そんなに貴重なら作ってみようと始めたものの、出荷の形態もわからない。 30年間の「挑戦」という農の道はおもしろかった。
「障害を持つ夫 また学生に」 朝起きて、ベッドから立とうとすると転ぶ。トイレにいくことも洗面もできず、つねに転ぶ。私は、同じ夢を何度もみる。9年前、夫が市場の帰りに事故で足を切断してから、健常者の私が夢の中で片足を克服できずにいる。 こんな私とは裏腹に、半身マヒのうえに義足の夫は、カナダのナイアガラボタニカルガーデンに、園芸の勉強出かけて行った。半身マヒの義足は、人に押されればすぐに転ぶし、動く手は杖(つえ)を持っているので、顔から転んでしまう。夫の危機管理のアイデアで、機会の棒の足をむき出しで歩いている。人目を引くが、人が注意を払ってくれる。 私たちには三人の男の子がいる。三男の譲は、現在カナダの大学四年生である。譲が中学一年生の3月から留学して今に至っているのだが、息子を留学に送り出したその年の暮れに、夫は交通事故にあったのだ。 去年息子を訪ねた時、カナダでも有数のナイアガラの園芸学校を尋ね、その後学校の教師とたびたび連絡をとり、とうとう入学許可をもらった。この5月に晴れて学生生活を始めた。今頃は顔を輝かせて、園芸セラピーを学んでいるだろう。 |